スパダリ航海士は契約妻を一途に溺愛する。
「……すごい、綺麗ですね。それに香りも……家で淹れると、すごく濃いし香りもしないです」
「中々難しいですよね、私も初めはそうでした」
お客様は一口飲んで「な、なんですか! これ!」とさっきとは違う声を出す。
「え、本当に甘い。全然違います……うまく言えないですけど、爽やかです」
「ありがとうございます」
私は、「では、ごゆっくり」と言って席から去った。
それからも私はお茶を淹れたり、ご飯ものを作ったりと忙しく働き……閉店時間をいつも通り迎えるはずだったのだけど。