スパダリ航海士は契約妻を一途に溺愛する。



 仕事が終わり私服に着替えた私は、少しだけお店で買い物をして裏口から出て近くにある海が見える公園へとやってきた。
 平日だからとても空いていて、晴れているし気持ちがいい。


「……百々芭ちゃん!」


待ち合わせの場所へ歩いて向かっていると、前から咲翔さんが歩いてきた。


「咲翔さん、お待たせしてしまってすみません」

「気にしないで。百々芭ちゃんは仕事だったんだから謝ることじゃないよ。こちらこそ疲れてるのにごめんね」

「いえ、全然大丈夫です。あの、テイクアウトのあったかい飲み物と焼き菓子を買ってきたのですが食べますか?」

「え! わざわざ持ってきてくれたの? 嬉しいなぁ」




< 43 / 60 >

この作品をシェア

pagetop