スパダリ航海士は契約妻を一途に溺愛する。



 あったかい飲み物は、温かいミルクに点てた抹茶を入れた抹茶ラテ。そして焼き菓子は、抹茶とほうじ茶のクッキーにシフォンケーキのラスクだ。

 テーブルのあるベンチを二人で探して座ると、テーブルに飲み物を二つ並べて焼き菓子が入っている箱を出して蓋を開ける。


「美味しそうだ。……食べていい?」

「はい! どうぞ、ぜひ!」


 まずはふたりでティータイムを楽しんでいると、咲翔さんが口を開く。


「この前はありがとう。あれから連絡できなくて本当にごめんね、いろいろあってスマホ見れなかったんだ」

「いえ、全然。元々は、限定の婚約者ですし」


 自分で言って、なぜかショックを受けている自分がいるのに気づく。




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