スパダリ航海士は契約妻を一途に溺愛する。
「……そういえば、お話ってなんでしたか?」
「あの日、船長と会ったでしょ? パーティーで」
「せんちょう……あ、あのダンディーな」
「そう。その船長、うちの両親と仲が良くてね。百々芭ちゃんのこと話したらしい」
それってまさか……私が婚約者だってことが周知されてしまったってこと!?
「……両親にいつ結婚するのかとか会わせてほしいとか言ってきて、最初は俺が誤魔化してたんだがダメだった」
「そうなんですね……?」
「あぁ、だから……とても図々しいお願いだと思いますが、俺と結婚してほしい」