スパダリ航海士は契約妻を一途に溺愛する。
咲翔さんはお家の中を案内してくれて、私の使う部屋にも案内してくれた。
広い個室……というか、この家は三階まであって二階全てが私のフロアらしい。
「あの……本当に私、ここ使ってもいいんでしょうか?」
「うん、もちろん。キッチンとダイニングは一階だけど、部屋で完結できていいでしょ? ほぼほぼ、同居だしさ寝室もあるけど一緒には寝ないだろうし」
「確かにそうですね」
「でしょ?」
本当にすごいなぁ……こんな豪邸が買えちゃうんだもんな。
「じゃあ、片付けしよっか。一応、十二時に一階に集合ね。昼ごはんあるし」
「そうですね。始めましょう」
私はフロアに運ばれている山積みになった段ボールを見上げると気合いを入れて取り掛かった。
段ボールには何が入ってるか書いていたので、まずは服はクローゼットにしまったりしてあっという間に片付けは完了した。