スパダリ航海士は契約妻を一途に溺愛する。
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「ここ……お高いのでは?」
「そんなことはないよ。今日は結婚して、引っ越しした初めてのお昼なんだから」
連れてきてもらったのは、古民家風一軒家で手打ち蕎麦と懐石料理が楽しめる老舗の蕎麦屋さん。
どことなく歴史を感じさせるたたずまいで、非日常空間がある。用途に合わせた個室があって古民家ならではの、木の温もりが感じられる……高級な蕎麦屋さんだ。
「……お待たせいたしましたー!」
店員さんは、にこやかにトレーに乗せて料理を持ってきてくださったけど……やっぱり高いよね?これ。
お品書きには、
【前菜】手づくり蕎麦豆腐、蕎麦味噌、梅水晶、
【一品】本日の変わり蕎麦
【椀物】そばがきと鴨つくねのお椀
【焼物】鴨ロース焼き
【揚物】天麩羅
【〆蕎麦】手打ち蕎麦(せいろ)
【甘味】甘味
……と、説明と共に書かれていた。
「じゃあ、食べよっか。いただきます」
「はい、いただきますっ」
値段が怖いなぁと思いながら、本日のかわり蕎麦を一口食べる。コシがしっかりしていて、よもぎそばだからか、香りが良い。それに天ぷらもサクサクの衣で、衣の量がちょうどよくて油っこくはないからパクパク食べられた。
甘味は、蕎麦がき団子で餡子が添えてあったが甘すぎることなくペロリと食べてしまった。
食べ終わって談笑をして、お会計前にお手洗いに行って咲翔さんの元に帰った後にはすでに会計されていて値段も教えてもらえずにご馳走になってしまった。