スパダリ航海士は契約妻を一途に溺愛する。


 朝の十時になり、お店を開ける。
 この時間でも混むようなお店では無いので、一人来店したら一人帰るみたいな感じだ。

 だけど、今は誰も来ておらず店内は閑散としている。


「今日はあまり来ないですね、開店して一時間経つのに」

「そうだね。いつもならモーニングでチラホラ来るのに」


 普段ならこの話をしている間に一人や二人来店するのに、と考えていればすぐお客様が団体さまで来店した……というか、急に五人ほど来るとか初体験だ。

 すごい筋肉質な方々だなぁ


「いらっしゃいませ、五名さまでよろしいでしょうか?」

「はい。大勢ですみません」

「いいえ。大丈夫ですよ」


私が確認している間に菜摘がテーブル席を作ってくれていたのでスムーズに案内する。メニュー表を二つと人数分のお冷をテーブルに置いてから「お決まりでしたら声をお掛けください」とだけ言って厨房に入った。



< 7 / 60 >

この作品をシェア

pagetop