スパダリ航海士は契約妻を一途に溺愛する。
朝の十時になり、お店を開ける。
この時間でも混むようなお店では無いので、一人来店したら一人帰るみたいな感じだ。
だけど、今は誰も来ておらず店内は閑散としている。
「今日はあまり来ないですね、開店して一時間経つのに」
「そうだね。いつもならモーニングでチラホラ来るのに」
普段ならこの話をしている間に一人や二人来店するのに、と考えていればすぐお客様が団体さまで来店した……というか、急に五人ほど来るとか初体験だ。
すごい筋肉質な方々だなぁ
「いらっしゃいませ、五名さまでよろしいでしょうか?」
「はい。大勢ですみません」
「いいえ。大丈夫ですよ」
私が確認している間に菜摘がテーブル席を作ってくれていたのでスムーズに案内する。メニュー表を二つと人数分のお冷をテーブルに置いてから「お決まりでしたら声をお掛けください」とだけ言って厨房に入った。