スパダリ航海士は契約妻を一途に溺愛する。


「これ目当てかな、お客様」


厨房に戻り、菜摘が指を差したのはお茶漬けのメニューページだ。


「そうかもね。お茶漬けの日だしね。ブラックボードにも書いたし、それ見たのかも」

「それだよ、きっと。百々芭のイラストとか見たら寄りたくなるし」

「そう? それだといいけど」


 そんな話をしていると、男性陣が手を挙げて控え目に声を掛けてきた。



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