ブラッドレッドの繋がり
「髪…良い匂いする。」
「まだお風呂入ってないから臭いよ!」
髪の毛の匂いを嗅がれた台詞に更に心臓が加速して
誤魔化すようについ少し大きめな声で返事をしてしまう。
まーちゃんの匂いは、
男の人の匂いで、よくよく見ると顎に少し髭が生えている。全然気付かなかった。
「…髭。」
「ん?生やしてるよ?」
「…耳に穴空いてる。」
「昔ピアスしてたから。もうしてないけど塞がらないんだ。」
どうでも良い会話の内容なのに、ゼロ距離のせいで全くドキドキが治まらない。
なのにこのドキドキが不思議と安心感もあって、まるで好きな人に守られているような感覚に陥る。
「…本当に可愛くなったな。」