ブラッドレッドの繋がり


「髪…良い匂いする。」


「まだお風呂入ってないから臭いよ!」



髪の毛の匂いを嗅がれた台詞に更に心臓が加速して
誤魔化すようについ少し大きめな声で返事をしてしまう。



まーちゃんの匂いは、

男の人の匂いで、よくよく見ると顎に少し髭が生えている。全然気付かなかった。



「…髭。」


「ん?生やしてるよ?」


「…耳に穴空いてる。」


「昔ピアスしてたから。もうしてないけど塞がらないんだ。」





どうでも良い会話の内容なのに、ゼロ距離のせいで全くドキドキが治まらない。





なのにこのドキドキが不思議と安心感もあって、まるで好きな人に守られているような感覚に陥る。






「…本当に可愛くなったな。」

< 29 / 78 >

この作品をシェア

pagetop