ブラッドレッドの繋がり
好きな人がいるのにスマホに無い連絡先。いつでも何処でも繋がれるネットの世界ですらも。
だからといってお父さんにまーちゃんの連絡先なんて聞けない、理由も言えない。正直連絡先を知っているかも不明。
なんとなく思い出す会話を繋ぎ合わせると、本家の家にはまーちゃんは住んでいない。
好きなのに。
会いたいのに。
「ねぇ~やっぱり私……詰みぃ??」
今度は全身全霊で受け止めたくないこの現状にさっきと同じ言葉を言ってしまう。
「だから彼氏もいたことない恋愛素人のミッチーはわからんて!」
どんなにあがいても私達の恋愛経験が乏しく、考えても考えてもどうしていいかわからない。
「やだ~も~加藤ヤバいって~。」
「はぁ?何が~好きなくせに~。」
世間一般では元カレの分類に入るであろう加藤の声が、廊下で彼女とのベタベタしているその空間が糞ほど気持ち悪い。
記憶にも残らないお前のキスなんて、まーちゃんの足元にも及ばないから。
そんな下らない事を考えても
やっぱり会える可能性が欠片もない現実に胸が刺さる。