ブラッドレッドの繋がり
「ちゃんと働いてんな。」
「な、なん…で?」
「なんでって…まぁ…。」
お葬式のあの時は黒いスーツで、それ以外のまーちゃんなんて知らなくて、
サングラスをかけて、半袖の白いTシャツはまたしてもパツパツしている。
そして、
Tシャツからチラリと見える刺青に、
「刺青??」
聞きたいこと、言いたいことが沢山ある言葉の数々なのに
刺青なんて入れている人を初めて見るから、ビックリした疑問をそのまま口に出してしまった。
「ん?あ?あぁ。やべ。上着着てくるの忘れてた。」
「上着?」
「いや、なんか別にわざと見せてるわけじゃないからな。普段はこんなん見せないんだけど。」
まだお客さんが来ないカウンターで向かい合って久しぶりに話す。
「なんかお前いるからちょっと焦って車降りちゃったんだわ。ハハ。」
何回も聞いた、クセなのかな?
話したあとに少しハハって笑うの。
あぁ何か、話してるだけでまたあの時の胸の高鳴りがよみがえる。
嬉しくて、泣きそうになるんだ。
会えたから、泣きそうになるんだ。