ブラッドレッドの繋がり



 そんな私はお婆ちゃんとの記憶は正直あまり無い。


 私が物心ついた時からお婆ちゃんは病気のせいで視力を失ってしまい、認知症も酷くなって老人ホームに入って寝たきりだったお婆ちゃん。


 声をかけても失った視力と認知症のせいで私のことも、お母さんのことも、息子であるお父さんの事もわかっていなかった。


 小学校卒業してから私はほぼ老人ホームには行かなくなり、お父さんとお母さんだけが老人ホームに顔を出すだけになって、お婆ちゃんが元気だったとか病気が悪化したという報告は、私には軽く伝えるのみになっていた。それでも特に違和感も無かった状況報告。







「お葬式するの?」



 ご飯を口に入れ、口元を動かしながら人が死んだ=お葬式という知識しかない私はお母さんに聞いてみる。



「するよ~。ユキは制服で参加すれば良いからね。明日学校終わったら、お母さんと本家の家に行こう」







 本家?

 お父さんは末っ子なのでお父さんのお兄さんのお家に集まるらしい。

 明日はバイト休みだから、バイト先に特に連絡しなくて良いかと、お婆ちゃんが死んだ悲しみもなく唐揚げを食べた。


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