ブラッドレッドの繋がり
学校が終わって急いで家に帰ると仕事を休んだお母さんが喪服を着ていてグッと人が亡くなった空気を感じる。
「おかえり、行こうか。ユキは特に持っていくもの無いから」
帰って来たと思いきや直ぐに車に乗せられる。
本家は車で1時間かからないくらいの距離で、小さい頃に行ったことあるよと車内で話されるがほとんど覚えていない。
「……へぇ」
特に何も思い出がない海沿いの道路を横目に見ながら、スマホでいつもと変わらない自分のSNSをスクロールしていく。
お母さんも私も、特に悲しんでいるような雰囲気はない。
お父さんは朝から本家に行くと話していたが、私にしたらいつもと変わらない日常だった。
眠気も出てこない距離で、適当にスマホを触っていたらあっという間に着いた本家。
確かに記憶の片隅にぼんやりと覚えている家の駐車場。
海沿いの住宅街、私の家より二倍大きいお家。
車から降りると潮風の匂い、風が強くて髪の毛が一瞬宙を舞う。