名ばかりの妻なのに、孤高の脳外科医の最愛に捕まりました~契約婚の旦那様に甘く独占されています~【極甘婚シリーズ】

(綺麗……)

 帰宅するその車中、雛未は膝の上においたブーケに何度も目を奪われた。
 まさか、祐飛が花を贈ってくれるとは思っていなかった。
 でも、ブランドバッグをもらうよりも断然嬉しい。
 
 ホワイト、ブルー、ピンク。
 ひとくちにデイジーと言っても、ブーケに使われている品種も色も様々だ。
 
 祐飛のことを考えると、デイジーのブーケのように色々な感情が溢れてくる。

(祐飛さんの傍にいたい――)

 本当は、若狭議員が目覚め、目的を達成した後も祐飛の妻でいたい。
 あわよくば、雛未を好きになってもらいたい。
 けれど、今はまだこの気持ちを知られてはいけない。
 祐飛が望んでいるのは後腐れのない契約結婚なのだから。

(いつかちゃんと……『好きです』と伝えられる日が来るといいな)

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