名ばかりの妻なのに、孤高の脳外科医の最愛に捕まりました~契約婚の旦那様に甘く独占されています~【極甘婚シリーズ】
エピローグ


 雛未と祐飛が結婚式を挙げたのは、雛未がベリが丘にやってきた二年目の春のことだった。

「わあ!素敵……」
「綺麗なベールを貸してくれてありがとう。純華さん」
「雛未さんにとってもお似合いで良かったです」

 純華は今日の主役である雛未をうっとりと見上げていた。
 マーメードラインの美しいウェディングドレスは、ベリが丘で一番人気のドレスサロンで誂えたものだ。
 本当はレンタルで十分だと思っていたが、弓親がどうしてもというので、わざわざオーダーメイドで作ってもらった。
 弓親の好きにさせてやるのも、親孝行のひとつかと思い雛未は早々に抵抗を諦めた。
 当初は結婚式を挙げる予定はなかったのだが、祐飛とも相談し、家族だけのこじんまりとした挙式と食事会をすることになった。

 雛未と弓親が和解すると、雛未が若狭家の遠縁にあたることが公にされた。
 純華との関係はとりわけ奇妙なものになった。
 父親同士が一卵性双生児。
 戸籍上では従姉妹になるが、遺伝学的には腹違いの姉妹という方が近い。
 そのせいもあってか、純華は雛未のことを本当の姉のように慕ってくれた。
 今では頻繁に連絡を取り合う仲である。

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