名ばかりの妻なのに、孤高の脳外科医の最愛に捕まりました~契約婚の旦那様に甘く独占されています~【極甘婚シリーズ】
「純華さん、辛かったらすぐに横になってね」
「雛未さんと祐飛くんの結婚式ですもの……。この目に焼き付けておかなきゃ……!」
純華は現在、妊娠六か月。つわりもおさまり安定期に入ったものの、まだまだ油断は禁物だ。あとで聖に気をつけるように、代わりに注意してもらわなければ。
「ああ、どうしよう……。本当に僕が一緒に歩いていいんだろうか……」
雛未を花婿の元に連れていく栄誉にあずかったのは弓親だ。
「おどおどするんじゃない!みっともない!」
車椅子から双子の弟に檄を飛ばしているのは、結婚式にも参列する國治だ。
その後ろには聖と若狭夫人が控えている。祐飛の両親もいる。
一年前、雛未と祐飛が婚姻届を役所に提出したこの日。
何でもない日が、一年をかけて特別な日に変わった。
バージンロードのその先には誰よりも愛しい人が待っている。
「互いを一生愛することを誓いますか?」
「誓います」
「誓います」
名ばかりの妻はもうどこにもいない。
おわり