まだあなたを愛してる〜離縁を望まれ家を出たはずなのに追いかけてきた夫がめちゃめちゃ溺愛してきます〜

13信じられないのなら

 項垂れたまま何も言わなくなったジェイド。

 ――何と声を掛ければいいのか分からない。

 ジェイドは優しい人だ。
 知らなかったといえ避妊の効果のあるお茶を渡してしまった事に心を痛めているのだろう。
 大切に思っている両親に嘘も吐かれていたのだから。

 ――義両親が私に話した言葉はすべて嘘で、ジェイドの言葉がすべて真実というのなら、私は彼に謝らなければならない。

 義両親から言われた事は真実だと思っていた。

 ジェイドにはクリスタ様という想い人がいて、二人は逢瀬を重ねている。私とは離縁をしたいと思っている。
 子供を欲しがっているが、私との子供は望んでいない……。
 私のことは愛してはいないけれど、可哀想だと思い別れを告げる事ができない彼。避妊の効果のあるお茶を私に飲むように渡し、憐れみながら体を重ねている。
 そう思っていた。

 自分で真実を聞く事を恐れ、何も話さなかった私は、勝手に彼に裏切られたと思い傷ついて……。

 けれど――裏切っていたのは私の方。

 彼は別れないと両親に告げていてくれた。

 そんな事も知らず、私は別れを一人で決めて、笑顔で避妊の効果のあるお茶を飲み続けた。

 体を重ねる度に、子を授かるようにとジェイドは願ってくれていたのに。

 ――彼は本当に願ってくれていたのに。
 一連の動作でしかないと、何の意味もないのだと愚かにも思っていた。
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