まだあなたを愛してる〜離縁を望まれ家を出たはずなのに追いかけてきた夫がめちゃめちゃ溺愛してきます〜
ショールを羽織った私は、ジェイドを居間に残し、外に出た。
夜空に輝く月が辺りを照らしている。
夕方、あんなことがあったとは思えないほど穏やかな夜。
土砂崩れを起こしていた山も、崩れてしまった畑もすべて元に戻っている。
あのまま崩れていたら私の命だけではすまなかった。ここにいる動物や植物たちにも被害を与えてしまっただろう。
「ステラ、ステラいるの?」
少し離れた所にいたステラが、私の声に気づき近づいてきた。
ジェイドの愛馬ステラは、月毛と呼ばれる淡い黄白色の毛色の体に、尾と鬣はさらに明るい金色の美しい馬だ。初めて会った時から私に懐いてくれ、乗せてくれた優しい子。
「ステラ、一人にしていてごめんね。あなたも来ているなんて知らなかったの」
声を掛けると、ステラは嬉しそうに鼻を鳴らした。
「来てくれてありがとう」
ステラは甘えるように私の着ているドレスの袖を軽く食んだ。
私がこんな格好をしているのをはじめて見たからだろう。
「綺麗でしょう? このドレスはね、エマが着せてくれたのよ、似合う?」
ステラは私の頬に鼻を寄せた。
似合うよ、と言っているように感じる。
「ありがとう。髪も結ってもらったの。お化粧も……」
私からもステラに頬を寄せる。
「何も言わずにいなくなって、ごめんなさい。心配したわよね……」
これは、彼にも言わなければならない言葉。
彼と話をせず、勝手に気持ちは離れているのだと思い込んで……。
「私、ダメね。いつまでも子供のまま……人に言われるままなの」
優しく目を細めるステラ。
彼の持つ穏やかな雰囲気に、私は自然と言葉をもらした。
「私、聞けなかった」
「ねぇステラ、あなたは知っているでしょう? ジェイドはクリスタ様とは何もないって言ったけど、本当? だったらどうしてユリの香りがしていたの? どうしてクリスタ様と一緒に来たの?」
夜空に輝く月が辺りを照らしている。
夕方、あんなことがあったとは思えないほど穏やかな夜。
土砂崩れを起こしていた山も、崩れてしまった畑もすべて元に戻っている。
あのまま崩れていたら私の命だけではすまなかった。ここにいる動物や植物たちにも被害を与えてしまっただろう。
「ステラ、ステラいるの?」
少し離れた所にいたステラが、私の声に気づき近づいてきた。
ジェイドの愛馬ステラは、月毛と呼ばれる淡い黄白色の毛色の体に、尾と鬣はさらに明るい金色の美しい馬だ。初めて会った時から私に懐いてくれ、乗せてくれた優しい子。
「ステラ、一人にしていてごめんね。あなたも来ているなんて知らなかったの」
声を掛けると、ステラは嬉しそうに鼻を鳴らした。
「来てくれてありがとう」
ステラは甘えるように私の着ているドレスの袖を軽く食んだ。
私がこんな格好をしているのをはじめて見たからだろう。
「綺麗でしょう? このドレスはね、エマが着せてくれたのよ、似合う?」
ステラは私の頬に鼻を寄せた。
似合うよ、と言っているように感じる。
「ありがとう。髪も結ってもらったの。お化粧も……」
私からもステラに頬を寄せる。
「何も言わずにいなくなって、ごめんなさい。心配したわよね……」
これは、彼にも言わなければならない言葉。
彼と話をせず、勝手に気持ちは離れているのだと思い込んで……。
「私、ダメね。いつまでも子供のまま……人に言われるままなの」
優しく目を細めるステラ。
彼の持つ穏やかな雰囲気に、私は自然と言葉をもらした。
「私、聞けなかった」
「ねぇステラ、あなたは知っているでしょう? ジェイドはクリスタ様とは何もないって言ったけど、本当? だったらどうしてユリの香りがしていたの? どうしてクリスタ様と一緒に来たの?」