まだあなたを愛してる〜離縁を望まれ家を出たはずなのに追いかけてきた夫がめちゃめちゃ溺愛してきます〜
 朝食を終えた後、私に現れた『力』について話をすることになり居間に場所を移した。

 うーんと腕を伸ばし、一人掛けの椅子に腰を下ろしたギルが話をはじめる。

「僕はね、ローラの力は封印を解くものと思っていたんだ。けれど、少し違うみたい」

「どういう事ですか?」
 ジェイドは目を顰める。

「僕は『力』の痕跡を見る事が出来る。それで分かったんだけれど」

 ギルは、浴槽の石に私の祈りが込められ綺麗になった事、それから私は気づいていなかったが、畑の土にも私が願った事により変化が現れていたと話した。

「では、ローラに現れた力は土の加護とは違うものという事ですか? 魔力のような?」
「いや、加護の力だと思う。これは憶測でしかないけれど、土の加護を持つアーソイル公爵は一度、精霊との契約を変えているんだ。その影響がローラに現れたのかも知れない」
「影響?」

「わん……。うん」
 つい『わん』って言っちゃうな……とギルは恥ずかしそうに笑った。

 部屋から水晶玉を持って来たエマが「詳しい事は分からないけれど」と話し始めた。
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