まだあなたを愛してる〜離縁を望まれ家を出たはずなのに追いかけてきた夫がめちゃめちゃ溺愛してきます〜
兄にチラリと目を向けた母は、クリスタへと視線を移す。
クリスタはクスクスと笑いながら、母の言葉の答えを口にした。
「まぁ叔母さまったら、子供は望めないんじゃなくて望まないんでしょう?」
思っていた答えに母はほほえんだ。
「そうよクリスタ。やはりあなたは賢いわね。私達は、あなたとジェイドの子供がいいの。姉様の子であるあなたには、魔力持ちの血が流れているもの。あなたとなら必ず新緑の瞳を持った子供が生まれるわ」
部屋の隅に座る兄の妻とその子供に目を向けた母は顔を顰めた。
「ああいう違う色の瞳は要らないの」
視線を目の前の袋へ戻した母は、そこから金貨を手に取るとテーブルの上に積み上げはじめた。静かな部屋の中に、カチャリカチャリというこの場では不快としか思えない音が響く。
「あら叔母様、そんな事を言ってはメアリ様が可哀想よ。それにあの子の容姿はフェリクス兄様そっくりじゃない。瞳は黄金色だから魔力はないだろうけれど、加護の力はあるかも知れないわ」
加護の力と聞き、母は片眉を上げた。
「火の加護なんて何の役にも立たないわ。それにあの子、いつもああやって怯えたように母親に抱きついてばかりなの。まったく可愛いと思えないわ」
母の冷たい言葉を聞かせないように、姉さんは子供をギュッと抱え込んだ。
兄さんが、堪らず口を開く。
「母上」
「なあに、フェリクス」
兄に声を掛けられた母は甘えたような話し方をする。
「その言い方はあんまりです。私の家族に謝って下さい」
「私が? その二人に謝る? 私は事実を告げただけよ」
何が悪いのかと、母は兄を見据える。
言っても無駄だと、兄さんは諦めた顔をして目を伏せてしまった。
クリスタはクスクスと笑いながら、母の言葉の答えを口にした。
「まぁ叔母さまったら、子供は望めないんじゃなくて望まないんでしょう?」
思っていた答えに母はほほえんだ。
「そうよクリスタ。やはりあなたは賢いわね。私達は、あなたとジェイドの子供がいいの。姉様の子であるあなたには、魔力持ちの血が流れているもの。あなたとなら必ず新緑の瞳を持った子供が生まれるわ」
部屋の隅に座る兄の妻とその子供に目を向けた母は顔を顰めた。
「ああいう違う色の瞳は要らないの」
視線を目の前の袋へ戻した母は、そこから金貨を手に取るとテーブルの上に積み上げはじめた。静かな部屋の中に、カチャリカチャリというこの場では不快としか思えない音が響く。
「あら叔母様、そんな事を言ってはメアリ様が可哀想よ。それにあの子の容姿はフェリクス兄様そっくりじゃない。瞳は黄金色だから魔力はないだろうけれど、加護の力はあるかも知れないわ」
加護の力と聞き、母は片眉を上げた。
「火の加護なんて何の役にも立たないわ。それにあの子、いつもああやって怯えたように母親に抱きついてばかりなの。まったく可愛いと思えないわ」
母の冷たい言葉を聞かせないように、姉さんは子供をギュッと抱え込んだ。
兄さんが、堪らず口を開く。
「母上」
「なあに、フェリクス」
兄に声を掛けられた母は甘えたような話し方をする。
「その言い方はあんまりです。私の家族に謝って下さい」
「私が? その二人に謝る? 私は事実を告げただけよ」
何が悪いのかと、母は兄を見据える。
言っても無駄だと、兄さんは諦めた顔をして目を伏せてしまった。