まだあなたを愛してる〜離縁を望まれ家を出たはずなのに追いかけてきた夫がめちゃめちゃ溺愛してきます〜
25手にした力
私の『力』を使うには、必ず対象に触れなければならない。
そっとアーソイル公爵の大きな手を取り、顔を見上げた。私のその行為に公爵は一瞬びくりと体を震わせる。だが、すぐに冷静さを取り戻し目を合わせてきた。
土の加護持ちの証、深紅の瞳に私が映る。
アーソイル公爵の願い、それは持っている力を他の公爵と同じように操る力に変える事。
その力を持って何をしたいのか分からないけれど、その先を私が考える必要はない。
今、私は自身の為にこの人の願いを叶える。それだけでいい。
「あなたの願いが叶いますように」
そう口にした途端、公爵は用済みとなった私を突き飛ばした。
「ローラ!」
倒れそうになった私を抱き止めたジェイドはそのまま公爵から距離をとる。
アーソイル公爵は両掌を見ながら不気味な笑い声を漏らしていた。
「土の精霊よ! 私に操る力を、本来の精霊の加護を与えよ!」
願いを口にした公爵の深紅の瞳は輝きを放ちはじめ、体を赤い光の粒が飛び囲む。それは次々と公爵の体の中へと入っていった。
すべての光を取り入れた公爵は薄っすらと光を帯びる自身の体を見ている。
「これが……これこそが本来の加護の力。持つべき私の力!」
両手を掲げ声をあげるアーソイル公爵。その姿は恐ろしさを感じさせるものだった。
彼を守るはずの騎士達も同じものを感じ取ったのか、公爵から距離をとる。
深紅の瞳を輝かせ、公爵は本心を口にした。
「これでようやく我々アーソイルが加護持ちの頂点に立てる! 私はこの国の真の支配者となるのだ!」
そっとアーソイル公爵の大きな手を取り、顔を見上げた。私のその行為に公爵は一瞬びくりと体を震わせる。だが、すぐに冷静さを取り戻し目を合わせてきた。
土の加護持ちの証、深紅の瞳に私が映る。
アーソイル公爵の願い、それは持っている力を他の公爵と同じように操る力に変える事。
その力を持って何をしたいのか分からないけれど、その先を私が考える必要はない。
今、私は自身の為にこの人の願いを叶える。それだけでいい。
「あなたの願いが叶いますように」
そう口にした途端、公爵は用済みとなった私を突き飛ばした。
「ローラ!」
倒れそうになった私を抱き止めたジェイドはそのまま公爵から距離をとる。
アーソイル公爵は両掌を見ながら不気味な笑い声を漏らしていた。
「土の精霊よ! 私に操る力を、本来の精霊の加護を与えよ!」
願いを口にした公爵の深紅の瞳は輝きを放ちはじめ、体を赤い光の粒が飛び囲む。それは次々と公爵の体の中へと入っていった。
すべての光を取り入れた公爵は薄っすらと光を帯びる自身の体を見ている。
「これが……これこそが本来の加護の力。持つべき私の力!」
両手を掲げ声をあげるアーソイル公爵。その姿は恐ろしさを感じさせるものだった。
彼を守るはずの騎士達も同じものを感じ取ったのか、公爵から距離をとる。
深紅の瞳を輝かせ、公爵は本心を口にした。
「これでようやく我々アーソイルが加護持ちの頂点に立てる! 私はこの国の真の支配者となるのだ!」