まどろみ3秒前

「まず、君の病気のことについて教えてもらってもいいかな?ごめんね、言うの辛いと思うんだけど」


全然辛くないように、私は「あーはい、」と軽く言って続ける。あの医者は、この若い医者に私のことを説明していないのだろうか?


「…自分でしか、起きれないんです。酷いときには3日、4日と眠り続けました。最近は毎朝次の日に起きれてるんですけど」


若い医者は、パソコンで何かをうちながら私に相槌を打つ。4日も眠ったなんてことを言ったのに、医者は全く驚く様子ひとつも見せないことに、まず驚いた。

そして、優しく私に問いた。


「いつからかな?」

「小学生のときです、多分」

「生まれつきの体質とかではなくて急に発症したんだね。なるほど、聞いてた通りだね」


うんうん、と若い医者は納得したように頷いた。なんだ、やっぱり私のこと知ってたのか。


「体に異常は?」

「あ、ないです」

「多少の違和感とかはあるかな?」

「…日を跨いだとき、ありました」


感覚を思い出す。確かに、なんだか体が重かったりと多少の体に違和感は覚えていた。


「それで…えっと、最近は、次の日の朝に起きれてるんだ?」


それは医者も初めて耳にしたのだろう。驚いたように目を開いた。
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