まどろみ3秒前
リビングへ行くと、お母さんが朝ごはんを用意してくれていた。
「おっはよー!よく眠れた??」
「あーうん!めっちゃ寝れたー」
お母さんの浮かべた笑みも、少し見せる心配の表情も、憎く見えてきてしまった。そんな自分が、また大嫌い。
準備をして、学校へ行った。
普通に授業を受けた。予習として、朝くんが教えてくれたところが出たので、とても先生の話が頭に入りやすくなっていた。
ペンを顎に付けながら、私は窓の先の空を見上げた。優しく青で、真っ白な雲が浮かぶ。
「見て、なんか黄昏て空見てるー」
「そんなの言っちゃだめでしょ!」
「えーだってぇ」
「最近学校寝坊せず来れてるよねぇー。あ、あれじゃない?好きな人でもできたとか」
「わぁー!好きな人のためなら寝坊もしないんだ?笑える。きも」
別に気になったわけでもないが、視線を窓からそらした。好きな人のためなら?どれだけ意味のわからないことを言ったら気が済むのか。
否定しに行っても無駄だということを、私には一番よくわかっている。
どうせ話のネタにして、笑いたいだけ。日常に面白いことがないんだろう、可哀想。
でも、今日の私はそうは思えなかった。怖くて辛くて、胸が痛くて、下を向いていた。
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