まどろみ3秒前
「…あの、ちょっと言ってもいいですか」
「ん?なに」
誤解を解きたくて口走る。
「勘違いやめてほしいんですけど、別に、私が寝たいとかじゃないんで。事情はあとで説明するけど、ただ、起こしてもらいたい。それだけであって、それ以外何もなくて」
「はいはい。…まあ、別に俺と翠さんで一緒に寝たことだってあるし慣れてるし?ね?」
どこかいたずらぽく笑う彼の方に、どこか強く足を踏みながら歩み寄る。
「あーあれは違うんで。人聞き悪い勘違いやめてくれますか?あはは。まじで殴ってもいいですか?なんかムカつくんですけど」
「え、怒ってんの」
拳を作った私に、「怒り方とかかわいすぎだろ」と言う彼に、はっと我に返り、とりあえず、睨み付けて圧をかけておいた。
「んじゃあ、今から勉強で。せっかくここで会えたんだから」
今から?と思わず首をかしげる。
「そ、今から。ほら、道こっち。俺に連絡も入れず朝には電話無視した、重い重すぎる刑をおかした罰として、休憩時間減らすから」
「ええ…それはやばいって…」
私が進んだ逆方向に進んでいく彼の背中を、小走りで追いかけた。そのせいで少し躓いてしまって、彼に笑われてしまったけど。
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