まどろみ3秒前
―次の日になった。
また、6時の朝に自然と起きれた私は、出来るだけなにも考えないようにして1日をスタートさせた。
学校へ行き、いつもの日常を送る。
教室の休憩時間は、動物園のように色んな声がしてうるさいが、今日という日はやけに静かだった。
見渡すと、風邪が流行っているらしく欠席者が多くいて、テスト勉強をする真面目な生徒たちがいた。
私も、朝くんがいなかったら今回のテスト勉強なんてしようとしてなかった。留年もあったかも、と考えては恐ろしくなる。
カタカタとシャーペンを走らせる音、消しゴムを強くやり過ぎて紙を破った音も聞こえた。
端っこの席から教室を見渡していると、ある、1人の生徒と目が合った。
すぐにそらした。最近は、よく目が合う。
…東花。
東花はモテている。女子にアンケートし、男子たちがふざけて作ったイケメンモテランキングには、まさかの第一位に輝いていた。なぜこんな情報を私が持っているのか知らないが、実際にも女子から好感の声が上がっていた。
「翠」
隣の席から声が聞こえた。さっきまで、男子友達と話していたはずだったが、席についたんだろうか。