まどろみ3秒前
本当に、頭がおかしい。おかしくなった。
違う高校に、私服でもなく制服のまま不法侵入して机の中に手紙をいれに来たとか。
バレずにどうやってここに来たのか…なんてうだうだ考えるのはやめた。朝の思惑通りなってしまいそうだったから。
「ほんとは、ラブレターじゃないの」
周りにはいない茶色く綺麗な目は、どこまでも見透かされてるような気がした。朝は、俺に笑いかける。
「俺の夢を叶えるため」
「…夢?」
「俺、その好きな人となら死んでもいいって思ったんだよね。だから、俺はその子と崩壊する。それが、夢ってわけ。夢でしかないけどそれを叶えに今やってきた」
「……っなに、言ってんの?え、は?一緒に死ぬ人探してるってこと?お前死にたいってこと?じゃあなんで他人巻き込んで…」
「あー違う違う。死にたそうにしてるその子と死ぬの。別に俺は死にたいわけじゃないし生きたいわけでもない。だから、俺の好きな人次第で、俺が死ぬかは変わる。愛する人と死ぬのが、俺の夢だから」
ポカンと頭にはてなマークが浮かんでいる俺に構わず、「で、」と平然と朝は話を続ける。
そのあとに、1番出てきてほしくない名前が、出てきてしまった。
「誰だっけなぁ…すい、みたいな名前の人いる?この教室でしょ?机探してんだけど、どこ」
朝は窓辺から離れて俺に近づく。
もう、限界だった。脳に血が上った状態で、無理矢理にでも沈めようとするともっと怒りのようなものが這い上がってきた。