まどろみ3秒前
彼女は、いつも途中から登校していた。寝坊だのなんだの言われているし事情があるのかは知らないが、必ず、学校には来ていた。
目の下にある深いくまが確かに目立つ。綺麗な黒い目、長い茶色ぽい髪。まるで、童話にいる眠り姫のようだった。
彼女は、ずっと笑っていた。
気味が悪いほどに笑っていた。
高校を入学して最初ら辺は、また寝坊かといじられて笑われていたのが印象的だ。
でも、今は。
話しかけやすいように笑って、こんな私をいじって下さいアピールして、それが悪い方向へと持っていってるんだろうと勝手に思う。
俺にはわかる。勉強も周りのクラスメイトもどうでもいいからなんだろう。
死を願い、一瞬一瞬がどうでもいいように。
だから、いずれ本当に死ぬんじゃないかって思ってた。
…朝が彼女と崩壊したくなる気持ちは、わからないが、わかる気もした。
彼女は、生きるか死ぬかなんて即答で死にたいと答えるだろうから。朝が持っている愛する人と死ぬ夢は、きっと叶う。
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