まどろみ3秒前
ただ、何時間も何日間も、眠る…
眠ることで失うことは、数えればどれほどあるんだろう。私は、現実として7日という時間を受け止めきれずにいた。
「眠ったとき、水曜日だったでしょ?今は、その来週の木曜日の、夕方6時過ぎ」
腕時計を見ながら、お母さんは、私に優しく丁寧に教えてくれた。時計は嫌いなので、部屋に時計を置いていなかったから。
ベッドから降りて重い体を動かして、カレンダーに斜め印を、7日分書いていった。
「…てか、雑巾の水私にかけたって?」
お母さんに心配されないようにと少しでも大袈裟に笑いながら言うと、そうそうと頷いてお母さんは苦笑いだった。
「あとね、これ」
お母さんは、何枚かの紙を私に差し出してきた。受け取って見てみると、それは…
「っテスト…」
「よく頑張ったね翠…本当にすごいよ…」
恐る恐ると受け取って、その点数を見た。
教科ごとに93、89、そして…
「100点…きたあ……」
驚きで、思わず地面に座り込んでしまった。1週間も眠ったが、どれだけ頑張ったのかは、体が覚えてくれていて記憶にあった。
1週間前の私は、頑張ったのだ。
見せたい、早く、見せたい。
どんな反応をするんだろう、どんな風に笑ってくれるだろう。