まどろみ3秒前
学校でもまた、私のことは噂になるのだろうか。まあ、別にどうでもいいけど。
文化祭や体育祭も出れなかった私にとって、学校は心痛むことばかりだ。
うちの高校は、来週が終業式だった。
まだ、桜は咲いていない。
咲き誇るであろう大きな木は、強い雨に打たれていた。もうすぐ、桜も咲くんだろう。
私は、桜をこの目で見ることはできるのだろうか。私はその間に、自分のベッドで呑気に眠っているかもしれない、なんて思うと情けなすぎて自分に笑ってしまいそう。
1週間、か。7日間、か。
早く感じる時もあれば、遅くも感じる。
私は眠りにつくことで、一瞬で7日間をタイムリープしているような感覚があった。
7日間の間に、人生が変わった人、苦しいことを乗り越えた人。沢山いるんだろう。
私だけが、この世界で孤独だった。
この世界は進んでいくのに、私は眠る。
私が眠っていても起きていても、何も変わらないかもしれない。だから、別に、死んでも何も、変わらないと思っていた。
でも、でも違った。
変わるとか変わらないとか、私にはどうでもよかった。
私は、この目でこの鼻でこの耳でこの体で、この世界をちゃんと生きたいって思っていただけだった。
そう思えた私は、きっと本当は、朝や夜が好きなんだ。大切にしたいって思ってるんだ。