まどろみ3秒前
sleep 11 大好き。
【said Sui】
朝くんに、学校で倒れてしまったことを軽い口調で話すと、どこか青ざめた顔をして「朝まで起こさした俺のせいだ…やっぱ無理させちゃったか…ごめん」と、珍しく、意外なほどに落ち込んでいることが読み取れた。
「そんなに心配しなくていいって。大丈夫大丈夫、私、朝陽見れたから」
どこか照れ臭かったがガッツポーズを胸の前で作ると、朝くんは、安心したようにふっと優しく笑った。
私は、朝くんを知ろうとは思わない。
朝くんが、言ってくれる心を開いてくれるその時まで、私も心を開きながら待つことにする。
待つことは大嫌いだけど、朝くんのためなら、待てる、待とうと思った。
―また夜が訪れ、私は7日間の眠りに落ちた。その次に眠ると9日、その次は6日…と日を跨ぐのは当然のように眠りに落ちていく。
私は、起きた日は必ず学校には行った。そして、朝くんと会い勉強を教えてもらう。それが、起きた日のルーティーンとなっていた。
「翠ー!起きたんだね!おはよ!!」
小鳥は、私の教室まで来てくれるようになった。
東花も、教室でよく話しかけてくれるようになった。
また東花と付き合ってんじゃないかと変な噂が広がっているんだろうが、そんなことを気にする様子もなく、東花は私のところに来てくれた。私も気にすることなく東花と話した。