まどろみ3秒前



―ガラッ


思い切り扉を開ける。その瞬間、しんと空気が沈むように静かになった。

真っ先に目に入ったのは、何も変わらず瞼を閉じて、眠る彼女の姿だった。

少し違うのは、酸素ボンベのようなものを口に付けられていること。

段々とその他も見えていく。驚いたように自分を見つめる医者らしき人、何人もの看護師、そして、彼女の母親もいた。後ろの影には何故か、小鳥さん、そして夕だっている。その他にも、俺の知らない人が沢山いて…

時限爆弾のような音は、この病室からだった。



「朝、ちょっと」


宥めるように夕が近付いてきて、廊下に出される。柚は病室に入ったみたいだった。


「俺もさっき来て事情知った。落ち着いて、聞いてほしい、んだけど」

「は、?なんでこんなに人が?なんで、夕がいんの?意味わかんないんだけど」


ドク、ドク…

心臓が鳴る音が大きくなる。それと同時に、心臓が鳴る度にズキンと、頭痛がする。
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