まどろみ3秒前
足掻いても足掻いても、掴めない水。空を切る手。動かない足。息ができず泡吹く口。沈んでゆく体。水が、身体中を浸透していく。
苦しい。痛い。辛い。ああ、息が出来ない。酸素を体が欲している。水には、酸素がない。吸っても、口の中に水が入るだけ。
「起きよっか、翠」
誰かの気配を感じて、はっと目を開ける。
「っ…」
彼は、私に近付いて―
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私は、あなたがいないと起きれない。
私の体は、きっと、頑固で、寂しがり屋だ。
あなたじゃないと、目覚められない。
あなたの声を聞くと、心から安心する。
そう、そうだよ。
あなたは、私の運命の人。
そう思えたのは奇跡であって、運命の人。
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あなたがいないと眠れない。
体は、夜に怯えた、ただの怖がりだった。
あなたといないと、安心して眠れない。
怖い夜も暗い夜も、淡くて脆い心を持つ夜も、眠り方を忘れてしまった夜も。
あなたがいると、心から安心できる。
ほら、運命をねじ曲げて、なってやったでしょ?あなたの愛する、運命の人に。
ねぇ、届いた?
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それでもずっと、待ってるから……
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