まどろみ3秒前

sleep 3 大嫌い。


夜になった。

今日は、安心して夜まで過ごせたと思う。

晩御飯を家族と食べながら色んな話をしたり、音楽を聞いてリラックスしたり、少し教科書を開いてみたりした。

ダイエットとして筋トレしたりストレッチをしたりした。効果はあるのか知らないけど。

こんな日は、初めてだ。

いつも夜に怯えていた。いつも苦しいことから目を背けていた。いつも、何も考えないようにしていた。

なのに、今夜は、考えることばかりだ。


「あっ」


思い出した。スカートのポケットの中をあさると、四葉のクローバーをくるんだティッシュがあった。入れたままだった。


萎れてしまいそうなクローバーを小さな花瓶に丁寧に入れ、棚に置いた。よし、ベッドからいつでも見れるようになった。しっかりと、葉は4枚あった。


私は、目をゆっくりと瞑った。

私は大丈夫、きっと大丈夫。








最近、よく見る夢がある。

起きると、その夢の記憶はほとんどない。

でも、僅かに記憶がある。


「おやすみ」


誰かが、私に声をかける。


「ほら起きて」


誰かが、私を起こしてくる。


「おはよ」


誰かは、私の寝起き顔を見て笑う。でも決してバカにしてるんじゃなくて、優しく笑うんだ。
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