まどろみ3秒前

―この雨は、いつから降り続けていたんだろう。








4日も眠るとなると、違和感のようなものはあった。なんか、ちょっと体が重いというか。

学校へ行く気もしなかった。

このまま、不登校にでもなろうか。そうすれば、ほぼサボり同然の私に、クラスの人も不快感を抱くことはないだろう。

4日。1週間が頑張ればもうすぐ終わる。2月も、もうすぐ終わる。テストも終わったのかな。私の成績は、一体どうなってんだろ。

病気と診断されてもないし、多分、普通にサボりとして成績に入っている。


お母さんは、仕事で家にいない。私ひとりだった。でも、それがよかった。

誰とも、話したくない。今日は、上手に笑顔が作れる気がしないから。


―待ってるから、ずっと。


突如として、私の頭に現れた。


「誰だっけ…名前…っあ」


思い出した。


「朝」


そうだ、朝だった。


「よるの、あさ」


私は制服に着替えて、髪をセットするのもめんどくさかったのでポニーテールにくくった。かばんを持って傘を手に取る。


雨が降る4日ぶりに外に、出ていった。

家も電柱も全てが雨に濡れている。


前に助けてもらった時、赤い傘をあの人の家に置いてきてしまった。だから、今日は家にあった透明な傘で行く。
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