まどろみ3秒前
斜めに降り落ちる大雨の暴風雨の中で、傘を落としそうになりながら懸命に進んだ。
相合傘するカップル、サラリーマン、早帰りの子供たち。色んな人が、通りすぎる度に私を見る。怖かった。私は、何か変だろうか。
「どうでもいい」
どうでもいい。なのに、私はどうしてこんなにも暴風雨の中懸命に進んでるのだろう。
―俺と死ぬまで、死ぬなよ?
ごめん、朝くん。
それは、無理だ。
゜
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「はぁはぁ…着いたぁ…」
学校前へやっとこと着いた。息を整えるために、傘を上手に掴んで下を向く。
どうして来たんだろう。いや、会えると思って来たんだ。大丈夫、間違ってない。
会えなかったら、帰ろう。会えなかったら、本当に不登校にでもなってやる。そんな気持ちだった。雨は、強くなるばかりだ。
「あっ…」
突然の大きな風に、傘は私の手からすっぽりと消えた。飛んで行ってしまった。
宙に舞う、傘。
この情景、見たことがある。
「待っ…もう、どうしよ…」
学校にあった木が引きちぎれそうなくらい大きな風だった。傘は地に着地したが、また飛んでいく。なんとか走って傘を掴んだ。