まどろみ3秒前

間宮 小鳥《まみや ことり》。

背が小さく、名前通り小鳥のように可愛らしい見た目をしている。

小鳥とは、同じクラスだった頃に随分と仲良くなった。今はクラスは離れているけど、仲良くしてくれている。

白い傘をさした彼女は、走ってきたのか傘も上下に揺れるほど息切れが激しい。


「ぁはぁ…ちょ、置いてかないでよぉ…!教室前で待ってたのにすれ違っちゃったね」


え!?まじでごめん、と私は直ぐ様、驚いたように笑って謝った。

隣に並ぶ小鳥に、何度も私は「ごめんほんと」と謝る。その度に「大丈夫」と小鳥だって笑って言ってくれる。

前に、「次も一緒に帰ろうね」なんて二人で約束していたことを忘れていたらしい。


―だって、3日前のことなんだから。


「ねぇ翠。最近学校休んでるらしいけど、ほんとにどしたの?体調とか悪いの?大丈夫なの??」


勿論のこと、小鳥と同じクラスだった時も私は朝に学校には来れず、遅れてやってきていた。けれど最近は、しっかり、学校にも行かずに休んでいる。

小鳥は、最近の私を知らない。

本当に心配そうに首を傾げる彼女に、私は安心させるよう、優しく笑顔を作る。
< 7 / 426 >

この作品をシェア

pagetop