まどろみ3秒前
間宮 小鳥《まみや ことり》。
背が小さく、名前通り小鳥のように可愛らしい見た目をしている。
小鳥とは、同じクラスだった頃に随分と仲良くなった。今はクラスは離れているけど、仲良くしてくれている。
白い傘をさした彼女は、走ってきたのか傘も上下に揺れるほど息切れが激しい。
「ぁはぁ…ちょ、置いてかないでよぉ…!教室前で待ってたのにすれ違っちゃったね」
え!?まじでごめん、と私は直ぐ様、驚いたように笑って謝った。
隣に並ぶ小鳥に、何度も私は「ごめんほんと」と謝る。その度に「大丈夫」と小鳥だって笑って言ってくれる。
前に、「次も一緒に帰ろうね」なんて二人で約束していたことを忘れていたらしい。
―だって、3日前のことなんだから。
「ねぇ翠。最近学校休んでるらしいけど、ほんとにどしたの?体調とか悪いの?大丈夫なの??」
勿論のこと、小鳥と同じクラスだった時も私は朝に学校には来れず、遅れてやってきていた。けれど最近は、しっかり、学校にも行かずに休んでいる。
小鳥は、最近の私を知らない。
本当に心配そうに首を傾げる彼女に、私は安心させるよう、優しく笑顔を作る。