私と彼の溺愛練習帳
「あなたのお母さんは営業に行ったあと連絡がとれなくなってね。当時は社内は大騒ぎでした」
「どこへ営業に行ったんですか?」
「どこだったかなあ。雑貨を作る工場だったはずだけど」
調べてもらえないだろうか。雪音はそう思うが、お願いしづらかった。
「調べていただけませんか?」
閃理が言う。
「やってみますが、わかる保証はありませんよ」
「ありがとうございます!」
雪音は勢いよく頭を下げた。
「もう一つお願いしてもいいですか?」
閃理がたずねる。
「なんでしょう」
「小萩真知子さんの写真があったら貸してもらえないでしょうか。事情があって、今は一枚も手元にないんです」
雪音ははっとして水崎の顔を見た。
「あるとしたら社員旅行のときの写真かな。こちらも保証はないですが、探してみましょう」
「ありがとうございます!」
雪音は再び頭を下げる。
閃理もその横で頭を下げる。
仲の良い二人を見て、水崎は微笑んだ。
雪音と閃理は連絡先を伝え、営業所を辞した。
「ここが頼りだったんだけど」
閃理は振り返ってこじんまりしたビルを見上げる。
「ご両親の親御さんも亡くなってるんだよね」
閃理に言われて、雪音はうなずく。
「探偵に頼んでみる?」
「そんなお金ないよ」
「僕が出すから」
「まずは所長さんの話を待ちたいわ。もう少し自分でがんばりたい」
「わかった」
閃理は雪音の手を握る。雪音はぎゅっと握り返した。
「どこへ営業に行ったんですか?」
「どこだったかなあ。雑貨を作る工場だったはずだけど」
調べてもらえないだろうか。雪音はそう思うが、お願いしづらかった。
「調べていただけませんか?」
閃理が言う。
「やってみますが、わかる保証はありませんよ」
「ありがとうございます!」
雪音は勢いよく頭を下げた。
「もう一つお願いしてもいいですか?」
閃理がたずねる。
「なんでしょう」
「小萩真知子さんの写真があったら貸してもらえないでしょうか。事情があって、今は一枚も手元にないんです」
雪音ははっとして水崎の顔を見た。
「あるとしたら社員旅行のときの写真かな。こちらも保証はないですが、探してみましょう」
「ありがとうございます!」
雪音は再び頭を下げる。
閃理もその横で頭を下げる。
仲の良い二人を見て、水崎は微笑んだ。
雪音と閃理は連絡先を伝え、営業所を辞した。
「ここが頼りだったんだけど」
閃理は振り返ってこじんまりしたビルを見上げる。
「ご両親の親御さんも亡くなってるんだよね」
閃理に言われて、雪音はうなずく。
「探偵に頼んでみる?」
「そんなお金ないよ」
「僕が出すから」
「まずは所長さんの話を待ちたいわ。もう少し自分でがんばりたい」
「わかった」
閃理は雪音の手を握る。雪音はぎゅっと握り返した。