初めての溺愛は雪の色 ~凍えるため息は湯けむりにほどけて~
「そんな大きな条件、私なんかのために……」
「あなたのためならこの程度」
「だけど……」
「たとえすでにあなたに嫌われているのだとしても、あなたを助けたかった」
「嫌いになんてならない」
初美は熱く彼を見つめる。
彼はほっとしたように、次いで寂しそうに微笑した。
「俺が社長を目指すと、あなたに迷惑がかかるかもしれない。だから、あなたが俺につきあいきれないというなら、俺は別れを受け入れる」
「……私、死にそうって思ったとき、あなたのことだけが頭に浮かんだの。このまま死にたくない、あなたに会いたいって。だから、別れるなんて言わないで」
蓬星は頬を緩めた。そして、初美を抱きしめる。
「そう言ってくれて良かった。正直言うと、あなたがいないと俺は生きていけそうにない。愛している」
「私も」
初美はぎゅっと蓬星を抱きしめ返す。
「帰ったら貴斗にはケリをつける。初美さんはしばらく会社を休んでくれる?」
「大丈夫なの?」
「あいつがやらかしてきた証言を一つ、手に入れた。このあとはツテを使ってさらに証言を固めて、祖父を動かす。結局は権力を使った解決になるのは気に入らないが、この際、使えるものはなんでも使う」
蓬星の目がぎらっと光った。今までにない目つきに、初美は少しおののいた。
蓬星はそんな彼女に気が付き、優しく微笑する。
「こんな話はやめにしよう。ご飯を食べてお風呂にはいって、今日はここで休もう」
彼が用意してくれて、カップ麺を食べた。勝手知ったる様子に、また戸惑った。
「おじいさんの別荘だから知ってるの?」
「そう。バックカントリーの拠点にもしてる。今度は観光で乗りに来よう」
「飛んだり跳ねたりしない?」
「しないコースにするよ」
蓬星は苦笑した。
彼は麓に連絡し、初美の無事を伝えて救助隊の要請を取り下げた。翌日、雪上車が迎えに来てくれることになった。
「あなたのためならこの程度」
「だけど……」
「たとえすでにあなたに嫌われているのだとしても、あなたを助けたかった」
「嫌いになんてならない」
初美は熱く彼を見つめる。
彼はほっとしたように、次いで寂しそうに微笑した。
「俺が社長を目指すと、あなたに迷惑がかかるかもしれない。だから、あなたが俺につきあいきれないというなら、俺は別れを受け入れる」
「……私、死にそうって思ったとき、あなたのことだけが頭に浮かんだの。このまま死にたくない、あなたに会いたいって。だから、別れるなんて言わないで」
蓬星は頬を緩めた。そして、初美を抱きしめる。
「そう言ってくれて良かった。正直言うと、あなたがいないと俺は生きていけそうにない。愛している」
「私も」
初美はぎゅっと蓬星を抱きしめ返す。
「帰ったら貴斗にはケリをつける。初美さんはしばらく会社を休んでくれる?」
「大丈夫なの?」
「あいつがやらかしてきた証言を一つ、手に入れた。このあとはツテを使ってさらに証言を固めて、祖父を動かす。結局は権力を使った解決になるのは気に入らないが、この際、使えるものはなんでも使う」
蓬星の目がぎらっと光った。今までにない目つきに、初美は少しおののいた。
蓬星はそんな彼女に気が付き、優しく微笑する。
「こんな話はやめにしよう。ご飯を食べてお風呂にはいって、今日はここで休もう」
彼が用意してくれて、カップ麺を食べた。勝手知ったる様子に、また戸惑った。
「おじいさんの別荘だから知ってるの?」
「そう。バックカントリーの拠点にもしてる。今度は観光で乗りに来よう」
「飛んだり跳ねたりしない?」
「しないコースにするよ」
蓬星は苦笑した。
彼は麓に連絡し、初美の無事を伝えて救助隊の要請を取り下げた。翌日、雪上車が迎えに来てくれることになった。