初めての溺愛は雪の色 ~凍えるため息は湯けむりにほどけて~
山荘に帰った二人は、迎えに来た雪上車に乗り込んだ。
宮城から東京へは新幹線で帰った。
その日は二人ともに会社を休まざるをえなかった。
初美は蓬星の助言通り、会社をしばらく休んだ。
復帰する頃には、企画室に戻れることになっていた。
こわごわと企画室に出勤すると、蓬星は正式に企画室の室長になり、貴斗と瑚桃がいなくなっていた。
なにがどうなったのか。
初美がたずねても、蓬星は答えなかった。
「これからは俺が守るから」
ただ彼は笑っていた。
久しぶりに出社した帰り、カフェで順花に会った。順花は笑顔で初美を迎えてくれた。
食後のコーヒーが出されたタイミングで、順花は切り出した。
「しばらく会社を休んでたんだよね。大丈夫?」
「ありがとう、平気」
「なんか大変だったみたいね。写真は誤解だったんだって?」
「そうなの。詳しくは言えないけど」
どこまで順花に話していいのか、初美は迷った。詳しく話すと蓬星に迷惑がかかるかもしれない。
「出勤したら仁木田さんがいなくなってて驚いたわ」
「ああ、それね。なんか、すごい噂がまわって、会社にいられなくなったみたい」
「すごい噂って?」
「あの子がセフレを大募集してるって」
「はあ!?」
「企画室で、大声で叫んだらしいじゃん。知らない?」
「それって、多分、もとは違うよ。私をいじるために言ったの」
「じゃあ、セフレ募集って単語と、仁木田さんが言った、その二つが独り歩きしたのか。自業自得だね」
順花は合点がいったようにうなずいた。
「あんたの元カレは悪行がバレて海外の僻地に飛ばされたし。良かったね」
「うん……」
宮城から東京へは新幹線で帰った。
その日は二人ともに会社を休まざるをえなかった。
初美は蓬星の助言通り、会社をしばらく休んだ。
復帰する頃には、企画室に戻れることになっていた。
こわごわと企画室に出勤すると、蓬星は正式に企画室の室長になり、貴斗と瑚桃がいなくなっていた。
なにがどうなったのか。
初美がたずねても、蓬星は答えなかった。
「これからは俺が守るから」
ただ彼は笑っていた。
久しぶりに出社した帰り、カフェで順花に会った。順花は笑顔で初美を迎えてくれた。
食後のコーヒーが出されたタイミングで、順花は切り出した。
「しばらく会社を休んでたんだよね。大丈夫?」
「ありがとう、平気」
「なんか大変だったみたいね。写真は誤解だったんだって?」
「そうなの。詳しくは言えないけど」
どこまで順花に話していいのか、初美は迷った。詳しく話すと蓬星に迷惑がかかるかもしれない。
「出勤したら仁木田さんがいなくなってて驚いたわ」
「ああ、それね。なんか、すごい噂がまわって、会社にいられなくなったみたい」
「すごい噂って?」
「あの子がセフレを大募集してるって」
「はあ!?」
「企画室で、大声で叫んだらしいじゃん。知らない?」
「それって、多分、もとは違うよ。私をいじるために言ったの」
「じゃあ、セフレ募集って単語と、仁木田さんが言った、その二つが独り歩きしたのか。自業自得だね」
順花は合点がいったようにうなずいた。
「あんたの元カレは悪行がバレて海外の僻地に飛ばされたし。良かったね」
「うん……」