初めての溺愛は雪の色 ~凍えるため息は湯けむりにほどけて~
 いつの間にか、隣の部屋に布団が敷かれていた。
 そこに彼女を横たえ、彼はまた口づける。
 彼の手が胸にのびる。
 反射的に彼の手をつかむが、彼は彼女の手をどけて、やわらかな胸を撫でる。
 びくっと震えると、彼はさらに先端を刺激した。

「や――」
 浴衣をはだけられ、初美は恥ずかしさで身をよじる。が、彼は両手で彼女をおさえつけた。
「きれいだ。あなたほど魅力的な人には会ったことがない」
 初美は酔いのせいだけではなく、顔を赤くした。

 彼の顔がゆっくり降りてきて、唇が豊かな胸に触れる。なぞるようにして麓から頂点へと到達し、口に含む。
 やわらかに歯をたてられ、繊細に舌で攻められて、初美はまた体をよじった。全身に走る快感で、頭の奥がしびれていくようだった。

 彼は充分に彼女の胸を堪能し、彼女の下半身に手を伸ばす。
 その刺激に、初美の体は跳ね上がる。
 彼は微笑し、さらに初美を翻弄する。快感を与えながら、だけどその頂きにはなかなか連れていってくれない。
 初美が焦れるのを待つその動きに、なにも言えずにただ喘いだ。

「もういい?」
 やがて、彼は熱い吐息とともに初美にたずねた。
「聞かないで」
 恥ずかしくて、顔をそむけた。
「そういうの、そそる」
 彼は初美に口づけた。

 彼はすべてを脱ぎ捨て、どこからか取り出したゴムをつけ、そうして、ゆっくりと彼女の中に侵入する。
 待っていた、とばかりに体がきゅっとして、彼が嘆息した。
「気持ちいいよ」
 言われて恥ずかしくて、さらにぎゅうっとなる。

 様子を見るように動く彼は、大丈夫そうだとみるや、激しく初美を揺さぶった。
 彼のリードで初美は乱れた。
 彼は何度も彼女を昇り詰めさせ、初美は声を上げ続けた。
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