この愛が、いつか咲きますように
「悠二くん、これお腹に当てて」

愛華がそう言い悠二に湯たんぽを渡すと、悠二は少しだけ口角を上げながら「ありがと」と言った。そして制服のブレザーのポケットに手を入れる。

「本当はさ、いつものプロポーズしながら渡すつもりだったんだけど……」

そう言いながら彼が取り出したのは、うさぎのキーホルダーだった。うさぎは両手でピンク色をしたハートの石を抱き抱えている。

「これ、修学旅行の先生へのお土産」

悠二がキーホルダーを差し出す。愛華は戸惑いながらもそれを受け取った。愛華の手の中でうさぎはちょこんと座っている。

「お土産なんて別によかったのに……。まあ、ありがとう」

まさかお土産をもらえるとは思っておらず、愛華は驚きと喜びを感じながら悠二にお礼を言う。悠二は冷や汗をかきながらも、フッと笑いながら「お礼は、先生からのキスか結婚でいいよ」と本調子ではないものの、いつものように冗談まがいのプロポーズをする。
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