千年愛


結局その日は四人で鍋パーティをすることになり、彩花といずみが買い出しに行き、貢と俺は鍋と酒の準備をすることになる。


貢達が俺を元気づけようとしてくれているのがはっきりと分かってはいてもどうにもならない。


アーサの死を受け入れられない俺には生きているのが辛く、アーサの失踪の謎が解けない限り、俺には夜空のムコウに明日なんてないのだから…どうにもならない…と思っていた。


久しぶりの鍋パーティは深夜まで続き、三人が帰ったのは深夜の2時を回っていた。


久しぶりに少しは笑える時間を過ごせ、ぐっすり眠れそうな気がしていた。


帰る前、彩花が旅行パンフレットを出して「レオ、今度気晴らしにみんなで行かない?たまには外に出ないといい男にカビが生えちゃうぞ!」と言っていた。


三人が帰り、部屋は祭りの後の寂しさばかりが残り俺を包んでいる。


居間にはビールの空き缶やコンビニの袋、つまみの袋が散乱し、その中に旅行パンフレットが残されていた。



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