千年愛


「ちょっと!舞ちゃん!そのお客さんってどんな人?」

と店の主人らしい中年の…多分50過ぎと思われる女性が尋ねると

「知らな〜い。」と彼女はあっけらかんと言いながら、ジーンズのポケットからしわくちゃの紙切れを出した。


黙って二人の会話を聞いていると、彼女は「えっと…真行司って男の人。」と答えた。



「あ…それ…俺。」


まだよくその状況が飲み込めずにいたが、咄嗟に返事してしまった。どう見ても俺にはアーサとしか思えない…でも…別人らしい…


俺の顔を見ても、眉一つ動かさない所から見ても…別人なのだろう。




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