千年愛


「そう。でも生まれは鎌倉なんだけどね。」


「舞ちゃんはこっちの生まれ?」


「……。」


彼女はその問いには答えなかった。何か訳があるのだろうかと、不思議そうな俺の顔を見て

「分からないんです。」

と顔を曇らせた。


悪いこと聞いてしまったと、聞いてしまったことを後悔していると、彼女はまた悲しそうな顔で話し始めた。




< 118 / 276 >

この作品をシェア

pagetop