千年愛


その夜の客は俺一人だったため、食事は囲炉裏を囲んで家族の皆さんと一緒に頂いた。



料理は地元の山菜を中心にした京風懐石。



おじさんは髭が豊かで猟師を彷彿とさせる風貌だったが、奥さんは優しそうな感じの京都美人。



おじさんには悪いと思ったが、蓉子さんはお母さん似で良かった…と正直そう思ってしまった。



それに舞ちゃんと俺の5人で、今までに味わったことのない家庭的な食卓が心から嬉しかった。



生まれて初めてだった。

こんなに温かい食卓は…。




< 131 / 276 >

この作品をシェア

pagetop