千年愛
春の足音
俺は
舞ちゃんの…いや…
アーサのことが
心配だったが、とりあえずは
自分の部屋に戻り、自分の気持ちを
懸命に鎮めようとした。
部屋に戻ると、二つのスケッチブックが
無造作に、しかも重なり合うように
畳の上にあった。
一つは俺が描いた舞ちゃんの似顔絵…
もう一つは舞ちゃんが…
描いてくれた俺の似顔絵。
その似顔絵を見ると、
それは今でも俺の部屋に飾っている…
あのプロポーズした日に
アーサが描いてくれた似顔絵と
全く同じだった。
寸分違わない似顔絵があった。