千年愛


涙を拭いて振り返ると

「入ってもいい?」

と思いつめたような顔で

蓉子さんは俺に尋ねてきた。






俺はそれには答えずに、




「アーサは大丈夫なんですか?」と




咄嗟に口から出てしまっていた。





「舞ちゃん…のホントの名前…

アーサって言うのね。」と呟き、

俺の似顔絵を手にとり、「さすがね…

でもこれが今までの中では一番かも…

舞ちゃんの本当の気持ちが

現れてるみたい。」と言った。





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