千年愛
そう言うと蓉子さんはゆっくりと
一言、一言…言葉を選ぶように
話をしてくれた。
「本当は、真行司さんから予約のお電話を
頂いた時から、多分…
あなたなんだろうって思っていたのよ。
でも…これも…やっぱり運命なのかもね。」
「それ…どういうことなんですか?」
「この前も、倒れたことがあって…
舞ちゃん…その時…うわ言みたいに
『レオ』って何度も言ってたの。
そしたら、それから一か月もしないうちに
君から電話があったの。
名前を聞いてピンと来たの。
…だってそうそうある名前じゃ
ないでしょ?
それに、舞ちゃん…その予約の紙を
ずっと見ながら泣いてたの。
どうかしたの?って聞いても、
『なぜかは分からないけど…涙が出るの』
って答えたのよ。
だからきっと何かあるんだろうって
思ってた。」