千年愛
すると蓉子さんは俺に遠慮してるのか
「別に無理にとは言わないから…
ゆっくり考えて…ね。」
と言ってくれた。
俺は生まれて初めて家族というものの
温かさを肌で感じている。
嬉しくて…
嬉しくて…
言葉にならなくて、
ただ首を振るしかできなかった。
やっと出た言葉は
「いいんですか」
の一言。
おじさんは俺の肩をギュッと抱いて
「良かったなや
これで家族が5人になったがや。」
と言って中へ戻って行った。