千年愛


突然不安に襲われると、

前後の見境がつかなくなったり、

精神的に幼児に戻ることが

稀にあるらしかった。







とうとう舞ちゃんは泣き出して…

パニック障害のようになったらしい。







それで蓉子さんが…

まるで母親が幼い娘を守るみたいに、

しっかりと抱き締めて、

諭すように話してくれたらしい。







「ねえ…舞ちゃん…

大丈夫心配しなくても…

レオさんが舞ちゃんを

嫌いになることなんてないから…。」





「じゃなんでいないの」





「舞ちゃんのプレゼントを

買いに行ってるのよ。





後で驚かせたいから…

内緒にして行ったのよ。」




「ホント…」





「ホントよ今度流星群見に行くんでしょ。

その時にあげるみたいよ。」




「じゃ、楽しみにしてる。」






そう言って眠ってしまったらしい。





知らない人が見たら、

きっと理解できないようなことが

普通にある。





それでも俺にとっては、

カケガエノナイ宝物だった。





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